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【ご報告】全国訪問看護事業協会30周年記念式典にて感謝状を拝受しました

このたび、全国訪問看護事業協会の30周年記念式典に、当法人の代表田中と、松尾(前代表理事)が出席いたしました。式典では、訪問看護の普及・発展に寄与した個人として、前代表理事である松尾が感謝状を拝受いたしました。

松尾よりコメント

日本の訪問看護の制度が始まって以来の歴史を振り返る基調講演も行われ、「これからの訪問看護に期待すること」と題したご講演では、制度の成り立ちや現場での実践が、当事者の視点から語られました。

特に印象に残ったのは、看護が「医療的ケア」だけでなく、生活そのものを支える存在であるということが、いくつかの事例を通じて明らかにされた点です。

看護の本質を感じた3つの事例

1つ目は、長期入院を経て在宅生活を選んだご夫婦の事例です。看護の支援により、ご本人が徐々に反応を取り戻し、表情や声が現れるようになったというものでした。そこには、処置だけではなく、丁寧な声かけや日々の生活支援が大きく関与していました。

2つ目は、家族の介護を抱え込んでいた方に、訪問看護師が「何かお困りのことはありませんか?」と一言声をかけたことがきっかけで、涙があふれ、心がほどけていったというお話でした。その一言が、支援への扉を開くこともあるのです。

3つ目は、老々介護のため外出が難しかった方が、訪問看護師の「うちに来て一緒に過ごしませんか?」という提案により、地域のステーションで看護師とともに過ごせたというものです。こうした日々の創意工夫が積み重なり、「看護多機能」など、今の地域包括ケアシステムの基盤が築かれてきました。

「伴走者としての看護」に重ねた私自身の歩み

講演では「看護師は伴走者であるべきだ」という言葉が繰り返されていました。私自身、「伴走者になる」という言葉を聞いたとき、心の奥にじんわりと響きました。

私が訪問看護に携わり始めたのは1994年。都立病院に勤めながらも、どうしても在宅の現場で看護がしたいと研修を受けていた頃でした。そこでエリナちゃんやさとちゃんと出会い、病院を辞め、在宅看護の道を選びました。

エリナちゃん
さとちゃん

はじまりは2人の女の子から…「おうちにかえりたい」 えがおさんさんストーリー

その翌年、1995年に訪問看護事業協会が設立されたことを思うと、私自身の歩みと協会の歩みが重なっているようにも感じます。

当時、訪問看護ステーションという制度はありましたが、私はあえて「在宅支援」に軸足を置き、制度の枠にとらわれないかたちで支援を始めました。そうして、一人で始めた取り組みが仲間とともに少しずつ形になり、やがて法人となり、今日まで続けてくることができました。

今回の感謝状は、私個人に向けたものとしていただきましたが、これは法人の活動に携わってきたすべての職員・仲間たちと共にいただいたものだと、心から感じています。

この場をお借りして、日頃からご支援・ご協力くださっている皆さまに深く御礼申し上げます。

これからも、「看護師は伴走者である」という姿勢を大切に、こどもたちのえがおが、さんさんと輝くために。これからもえがおさんさんは、すべてのこどもたちのえがおが地域にあふれる、温かい社会の実現を目指します。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

障がいのある子どもと家族の伴走者
えがおさんさん物語

障がいがあるこどもたちと家族が困っていることを最優先に考え、 制度・職種にこだわらない、持続可能な支援のカタチを求め、障がい児者と家族とともに歩む物語。

下川 和洋(監修)、松尾 陽子(編著)、阪口 佐知子(編著)、岩永 博大(編著)、鈴木 健太(編著)

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